現在、不妊治療やホルモン療法で使用されるHMG製剤(ヒト閉経期性腺刺激ホルモン)の供給状況が不安定となっております。HMGには、尿由来の製剤と遺伝子組み換え製剤の2種類があり、それぞれ特徴があります。
HMG製剤の種類
1. 尿由来のHMG製剤
尿由来製剤は、ヒトの尿から抽出したホルモンを使用しています。現在、日本国内では以下の製品が流通していますが、中国での生産依存のため、安定供給が難しい状況です。
– 「フジHMG」:LHとFSHの比率が「1:3」で、出荷調整が続いています。
– 「テイゾーHMG」:LHとFSHの比率が「1:1」で、こちらも出荷調整中です。
– 「フェリングHMG」:LHとFSHの比率が「1:1」で、現在は出荷停止となっています。
2. 遺伝子組み換えHMG製剤
遺伝子組み換え技術により生産される製剤で、安定した生産が可能とされています。現在、「レコベル」や「ゴナールF」などがこのタイプに該当します。
HMG製剤は、産婦人科の不妊治療に加え、泌尿器科でも利用されることから、国内でも需要が高くなっております。特に尿由来製剤については供給が難しい状況が続いており、今後、当院でも在庫不足により注射が実施できない可能性がございます。そのため、不妊治療への影響が生じることが予想されます。
患者様には大変ご不便をおかけいたしますが、現状につきましてご理解賜りますようお願い申し上げます。